ママ・パパの呪いーナイルパーチの女子会ー

自分が高校生の頃、母親をママと呼んでしまっていたことに苦しめられていた。
小学3年生から、ママ呼びに幼稚さを感じて、どうにかして「お母さん」「母さん」「おかん」「おふくろ」に変えようと頑張っていたが、米粒くらいのときから染みついたママは簡単に取れなかった。

母親にとってもママは若々しさのニュアンスも含んでいたらしく、ママと呼ばれることを逆に良しとして、推奨していた感はあった。

なので、大学生頃からは、母親に母親自身の歳を自覚させようと「ばばあ」と呼んだ。さすがにキレた。それでも俺は根気強くばばあと呼んだ。
母親は見事に慣れた。すごい。

別に呼び方なんてどうでもいいはず。その家族の文化なのだから、ママだろうがパパだろうがなんだっていいはずなのに、30歳の主人公が父親をパパと呼んでいる描写には、マジか!と思ってしまった。

ナイルパーチの女子会によって、偏見の1つを発見させられた。

次回もナイルパーチの女子会です。

参考文献

柚木麻子「ナイルパーチの女子会」2015年、文藝春秋
山本周五郎賞受賞作。

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