「型」から入る人間関係は続かないーナイルパーチの女子会ー
友達を作るために型を気にすることは無かった。下の名前で呼ぶとかカラオケ行くとか。
彼氏・彼女、上司・部下という役柄が付くと「型」が発生するかもしれない。
例えば、高校生のとき、彼女ができた連中はメールアドレスに、彼女のイニシャルだの名前だのを入れてた。
「メアド変えたから登録しといて」とか後日「彼女以外のメアド消したわ」とか平気でやってのける。もはやあれは儀式だった。
名札も交換している奴らもいた。彼女の名札をスクールカバン、筆箱等の他人の目に触れるところに装備する。
そこまでしても、そいつらの交際期間は1か月がピークで、3か月で燃え尽きて、「倦怠期で別れた」までがテンプレ。
だいたいは「距離を置きたい」「好きなのかわからなくなってきた」とか抜かし始める。
これは中高生に限らず大人になってもよく発生する現象で、カップルのあるべき型と彼氏の役割を従順に演じることに疲れたから、ただの過労。
彼氏の視点からすれば、彼女と距離を置きたいというよりも、彼氏という役から一旦距離を置いて、自分の人柄と彼氏の役柄にどう折り合いをつけるかを考える時間が欲しい。
その期間中に、別の女性に相談を持ちかけたら、もう終わり。
柚木麻子の「ナイルパーチの女子会」を読んで、そう思いました。
しばらく、ナイルパーチの女子会が続きます。
参考文献
山本周五郎賞受賞作。