友達がいない!-ナイチパールの女子会-

誰かに触れ合って、自分の輪郭を確かめたい。

この小説において最大の一行。
なんでそう言えるのか、どんなふうにスゴイと感じたか、自分なりに説明してみたいけど、私にその技量は無いので来年に保留にしておきます。

自分がどういう人柄なのかは自分には分からないです。
私自身、人との関わり方が移り変わっていくことを自覚していますが、どのように変わったかは分かりません。
それは年月と環境に大きく左右されていると考えています。

中学の友達と小さな同窓会をした帰り道、たまたま高校の友達と遭遇しました。
久しぶりだったので、中学の友達に一声かけて、ちょっとだけ立ち話をさせてもらい、すぐ戻ると「お前、ああいう話し方もするんだな。少し寂しくなったわ」と言われました。
どうやら、今まで見たことの無い私の一面を見てしまったのだと思います。

人の側面なんてたくさんあります。おそらく接する人数と同じくらい、側面が仕上がっていきます。でも自分自身はそれに気付きません。

「誰かに触れ合って、自分の輪郭を確かめたい」と思うときは、誰にも触れ合う機会がなく、自分だけでは評価しようの無い自分を評価したい時です。

ナイチパールの主人公みたいに友達がいないケースは悲惨です。
かなり他人事だと思っています(なぜなら私には友達がたくさんいるからです)。
友達を作りたいけど、どう接すればいいの分からない。自然な接し方を練習したいけど、友達がいない。

恋人を作るよりも友達を作る方が難しいかもしれませんね。
その逆が難しいと思っている人もいるかもしれません。
ちなみに私はどちらも持っています。

参考文献

柚木麻子「ナイルパーチの女子会」2015年、文藝春秋
山本周五郎賞受賞作。

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