ブックカバーを付けないでください

冬の朝は小走りで駅に向かいます。
スピードを上げると、革靴が脱げそうになりますし、スーツの太ももの部分がパツンパツンになります。リュックもバインバインと弾けるので小走りです。
10分の道のりは5分もかからずに着きますが、さすがに息切れします。
鼻の穴が痛くなるような冷気を思いっきり吸い込むと、脳みその隅々まで行き渡るようで、頭がシャッキリします。
一本早い電車には乗らず、いつもの電車に乗ります。
隣の人が本を読んでいると、とても気になります。小説を読んでいれば、どんなの読んでいるんですか?と聞きたくなりますし、資格の本を読んでいれば、頑張れ!と応援したくなります。
私は周りの人に本を紹介するつもりなので、どんな本でもカバーは絶対につけません。
作家さん、作品の宣伝です。
だから、背筋を伸ばし、顔をあげ、姿勢の良い小学生が音読するように本を読んでいるリーマンがいたら、それは私です。