埼玉県、海水引き入れ事業を断念

埼玉県海洋開発機構は太平洋に注ぐ利根川の河口付近に逆流設備を導入する計画を凍結した。海無し県からの脱却を目指して10年前から構想され、千葉県による協力も得ていた巨大プロジェクトだったが、年度を経るごとに膨らむ予算に対して財源を確保できないこと、重力に逆らうことは不可能ということが先日の会議で明らかになった。海洋開発機構は驚きを隠せない様子とともに落胆した雰囲気が会議室を包んだという。海洋開発機構の海梨大洋所長は取材陣から「事業そのものに無理があったのでは?」という指摘に対して「埼玉に海はある」と述べて記者会見を後にした。